菱沼さんのお見合い
By,ローズマリーさま(八畳間劇場)

ここしばらく菱沼聖子の機嫌が悪かった。それというのも、彼女にはお見合いの話が持ち上がっているかららしい。以前にも菅原教授の紹介があったのだが、彼女がもたもたしている間に他の女性と見合いをして、上手く話が進んでしまいお流れになっていた
「もう面倒くさいから、お見合いなんてしないわよ〜〜」と周囲に話し、見合い話も片っ端から断っていた彼女であったが、今回の相手は菅原教授の恩師の孫というわけで、さすがの菱沼も、お世話になった教授の顔に泥は塗れないと、渋々承諾したのであった。

西根家のハムテルの部屋にての会話。
「菱沼さんも、そろそろ年貢の収めどき・・・ってやつなのかなぁ」
梨花はチョビに話しかける。当然チョビは犬なので、答えるはずがないのだが・・・・。
「おまえも、お見合いする?」とさらに話しかけると、チョビは一瞬「え?」というような表情を浮かべた。
「梨花ちゃん、うちはチョビの他に、ミケやヒヨちゃんがいるから、これ以上動物は増やせないよ。
チョビの子を梨花ちゃんが責任を持って見るなら別だけど」とハムテルこと、西根公輝は言った。
「それは難しいわ。かわいそうだけど、チョビのお見合いの話はナシね」と梨花がチョビの頭をなでる
と、その言葉を理解出来たか出来ないか、「ふぅ〜」とため息をつき、チョビは昼寝を始めた。
「なんで、菱沼さんの見合いから、チョビの見合いに話がとぶんだか」梨花とハムテルの話を聞いていた二階堂がツッコミを入れる。
「・・・そこにチョビがいたから。でも、菱沼さんがお見合いだなんてちょっとショック。」
「なんで?」とハムテル・二階堂。
「私、入学した当初、ハムテル君と菱沼さんってつき合っているとばっかり思っていたのよね。いい感じだし、このままうまくいけばいいのになぁ〜って思っていたんだよ」との梨花の言葉に
「あれのどこがつき合っている・・っていうんだよ、あれは、振り回されているって言うの!」
二階堂の厳しいツッコミが入った。ハムテルも無言で頷いたが、
「それは二階堂君の嫉妬だよ。」と梨花、気に留める様子もない。
「えっ?」思わず顔を赤らめる二階堂。
「二階堂君にハムテル君離れをしてもらうためにも、菱沼さんは、ハムテル君とつき合うべきだったのよね〜」と梨花はため息をついた。
「なんで、”ハムテル離れ”なんだよ!」
「男のくせにハムテル君にベタベタしすぎ」
「友達だもの、いいじゃないか」
「なんか、怪しすぎ〜〜」
「ハムテル!お前のイトコ、口悪すぎだぞ、お前からもなんとか言ってやってくれ!」
しかし、ハムテル、二階堂の言葉を聞いているのかいないのか。眠っていたチョビが起きあがって吠えたので、「お客さんかな?」と玄関へ行ってしまった。

「どなたですか?」とハムテルがドアを開けると、そこには菱沼が立っていた。
「お見合い・・・じゃなかったんですか?」
「そうよ。でも、さっさと帰って来ちゃった」
ハムテルが「どうぞ」と言う前に、菱沼はさっさと上がっていった。

「あれ?菱沼さん、お見合いが終わる時間にはまだ早いんじゃないんですか?」菱沼がおみやげに持ってきたケーキを受け取りつつ、梨花が尋ねた。
「写真を見たときから、イヤ〜な予感はしていたのよ。案の定、開口一番”僕のお母さんにソックリだ”
ですって。菅原教授もそれに幻滅して、食事だけ食べて帰って来ちゃった。さすがにマザコンは苦手だ
もの。」
「確かに。」4人一同に頷いた。
 菅原教授にしても、いくら恩師の孫だとはいえ、先行きが心配になったのだろう、菱沼を先に帰してしまったのだという。
と、その言葉を理解出来たか出来ないか、「ふぅ〜」とため息をつき、チョビは昼寝を始めた。
 菅原教授にしても、いくら恩師の孫だとはいえ、先行きが心配になったのだろう、菱沼を先に帰してしまったのだという。「・・・菅原教授も責任感じちゃったんですね」

 誰からともなくそんな言葉が漏れた。多分これでしばらく菱沼に見合いの話は来ないだろう。
ローズマリーちゃんから一言 山崎からお礼
 2345Hit・山崎あゆみ様に差し上げます。たいしたひねりも何もない話でゴメンナサイ。今回の話はオリジナルキャラクターとして、ハムテルの従姉妹。梨花(りか・りんかではないよ)ちゃんをださせていただきました。  ローズマリーちゃんからの頂きものですv
 「チョビ・もしくは菱沼さんでSS」というゴクドーなリクエストをしたにもかかわらず、クリアしてくれて有難うございましたv
 本気で「梨花ちゃんって誰だろう…」と考えた私は、ちょっとお間抜けさんかもです(^^;)
 ローズマリーちゃん、有難うございました。

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