月蝕の窓
(講談社ノベルズ発行)
ストーリー 「赤いお月様」は何を語る? 少女の記憶が蘇った時、女たちの悲嘆が宿る「月映荘」でまた惨劇が。隣に住む未亡人に招かれた医師が撲殺、未亡人まで銃に狙われたのだ。容疑は、精神的に不安定なその少女に。
 事件の真相は呪われた館の過去、そして京介自身の封印された記憶にからみつく。(講談社ノベルズより抜粋)
個人的感想  もお、しょっぱなから毒吐いてすいませんが…、ショックでしたよ…。「登場人物紹介」見て…。
何で蒼ちゃんがいないの〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!
この事実に打ちのめされてしまいました。
 ストーリーはね、メチャクチャ面白いんです。綾辻行人先生の「十角館の殺人」以来でした、犯人が誰なのかハッキリするまで怖くて眠れない(そのままうやむやにして寝てしまったら、自分が殺されそうな気分になるのです)体験をしたのは…。
 松浦くんは京介に向かって「君とぼくは似ているから、君はぼくのことを一番分かってくれる」と言っていましたが、京介は蒼ちゃんや深春がいる間は、ああいうタイプの殺人鬼にはならないと思います。
 蒼ちゃんに大事なことを教えてくれたのは、京介だから。それを覆すようなことは、できないだろうな…と。
 そんなもので、松浦くんが茉莉ちゃんをいつまでも依存させているのは、どうしても納得がいかなかったりして…。茉莉ちゃんは内容的に言えば、蒼(その当時はまだ香澄)と同じ経験をしていたはずなのです。その事実を本人に隠そうとするか、事実は事実として付きつけるか、それは、依存された松浦くんもしくは京介に任せられるのです。
 ま、松浦くんの動機が「アレ」なもので、茉莉ちゃんは可哀想な結果になってしまったわけですが…。
 蒼ちゃん…。京介と出逢えて良かったね、と本気で思いました…。
 しかし…。篠田先生のシュミ大爆発!という感じがしたのは、私の思い違いでしょうか?なんかね、「この貧しき地上に(講談社WH文庫)」のイメージが重なるのですが…。(どことは言いませんが、雪山のセザールとの対決シーンとか…)。京介…。おまえってヤツは…(涙)。