色の砦
(講談社ノベルズ/講談社文庫発行)
ストーリー  19歳の冬。「輝額荘」という木造下宿で深春と京介が出会った直後、裏庭で発見された住人の死体。内部犯の仕業なのか、皆の「砦」に暗い翳がしのびよる。帝国ホテルを建てたライトの生涯に深い関心を寄せる京介も捜査に駆り出されて事態は急展開(講談社ノベルズより抜粋)。
個人的感想  「灰色の砦」は、面白いとは思うんです。えぇ。でも、なぜかトントンと進まないのは、蒼ちゃんがいない所為ではないか?と・・・。結局京介と、蒼と、深春の3人のバランスが好きなんですね、私。
 今の京介からすれば、かなり青い京介が楽しめます。人間関係に戸惑いながら、自分の言いたいことが上手く伝わらないもどかしさを感じていたけれど、そんな京介に振り回されながらも何とか付いて来てくれ、読み取ろうとする深春に思いっきり懐くと言う・・・(ムキー!)。
 「謎は解明しても、それは解明だけであって犯人を糾弾することはしない」という京介のスタンスは、きっとこの輝額荘の出来事があったからなのかも知れません。。。