原罪の庭
(講談社ノベルズ/講談社文庫)
ストーリー  ガラスの柩を思わせる巨大な温室の中で惨殺された病院長一家。その血塗られた密室に置かれたチェストで、天使のようにまどろむ7歳の少年。ただ1人生き残った彼は、しかし言葉を失っていた。闇に閉ざされた魂を救うため、最大の謎「薬師寺家事件」に挑む桜井京介(講談社文庫より抜粋)。
個人的感想  「原罪の庭」!!。一番好きなのは「翡翠の城」ですが、これは、別格です。この本がないと「建築探偵」は始まらないぐらいの勢い。そんなわけでミステリと言うよりは、人間の物語といった感じですが・・・。
 蒼と京介。この2人は、きっとあの時出逢わなければ、きっとあの時再会しなければ、今の蒼・京介は存在しなかったでしょう。蒼は京介に事実上助けられ、京介は別の意味で蒼に助けられているのですから・・・。
 でも、それが分かるだけに、京介のグルグル具合に「むきー!」となるとも言えるんですが・・・。何故京介は、ここまで自分は愛されていないと、受け入れられないと思うのか。京介の胸倉掴んでガクガク揺さぶってやらなくては。でも、それをすべきなのは、きっと蒼じゃなくちゃいけないんですよね・・・。
 蒼。あんな哀しいことが重なって起こったのに、こんなに素直に育って・・・。