黄色い目をした猫の幸せ
(講談社ノベルズ)
ストーリー  ――それは何の変哲もない、ただの箱に見えた。幾分、湿った感触の、大きめのダンボール箱。湿っているのは、昨日の雨のせいだと思った。だが開けた瞬間、そんな考えは消しとんだ。中にあったのは遺体だった。首も手足も切り落とされた、血塗れの子供の遺体だった。(講談社ノベルズより抜粋)
個人的感想  薬屋さんシリーズ第1巻です。
 と、高里先生ご本人があとがきで仰っていました。じゃあ、「銀の檻」は、0巻?エヴァ?。
 それは、兎も角。
 私のイメージする薬屋さんらしさということを考えると、確かに「銀の檻」より「黄色」の方がそれに近いかな?と、思います。
 高里先生の書かれるお話は、全体的に暖かくて、どこかしら寂しくて。というものが多いと思うんです。
 扱われているネタは、実際ものすごいグロいと思うんですが、それに絡まってくる人々の、妖怪の、優しさとか切なさが伝わってきます。
 でもって、座木さんのアルコールワードで、いっつも泣いちゃうんですよねー。
 あ。あの「アルコールワード」は、挨拶同様無意識に出る言葉らしいから、リベザルに言った言葉は、厳密にはアルコールワードじゃないのかな?。リベザルの為に、考えて選んで、言った言葉だから。リベっちと良太くんの10年後の再会を想像するだけでも、なんだか泣きたくなるほどに嬉しくなって来ます。