家 賃
(新書館・Dear+文庫発行)
(illustration:松本 花)
ストーリー  中学教師の遼の部屋に突然、勤務先の学校を卒業した人気アイドルの望月和哉が転がり込んできた。担任でもなかった男のところに何故かそのまま居着く和哉。態度だけはデカく「家賃ならカラダで払う」が口癖だが、芸能事務所をやめて親からも見放された少年を、遼は追い出したりもできなかった。(Dear+文庫より抜粋)
個人的感想  えー・・・。今だから告白しても良いでしょうか・・・?。
 正直、最近(多分、ご結婚なさって(推定)からこっち辺り)の月村作品は、好きなんだけどなんか、今までの「ツボジャストミート!」という読了感がなかったんですよ。あの、ギリギリのところに立って、一歩踏み出せない危うさって言うのかな?、そういうのが好きだった私としては、最近の作品がちょっとイチャイチャラヴラヴしすぎてて、「あー、なんかずれてきたなあ」、と思っていたんですね。
 しかし!、今回の作品が久々のヒットで!!。素直になれない和哉くんが可愛かったり、自分の気持ちにうろたえている遼ちゃんが微笑ましかったり。そーよ!、こういう雰囲気を私は月村作品に求めていたのよー!!!と万歳三唱。
 「誰でも良い、自分だけを愛して欲しい」と願うのは、誰でもあることだと思うんです。何気ない優しさだったけど、それを遼ちゃんに感じられたのなら。それは和哉くんにとって幸せなことだと思います。

 余談ですが、「遼ちゃん」、「はるかちゃん」って読むんでしょうけど、一世風靡した某アニメのお陰でついウッカリ「りょうちゃん」って読んじゃうのって、私だけですかね・・・?