ブレッド・ウィナー
(白泉社・花丸文庫発行)
(illustration:梧桐 あさ)
ストーリー  北川太一は訳あって双子の子持ちである亜美と若くして結婚したのだが、自由奔放の限りを尽くす亜美は男と駆け落ちして家を出てしまった。太一は24歳にして、残された双子と実家の潰れかけたパン屋を背負い込む羽目に・・・。やがて売り出すことにした店に買い手がついたのだが、その男は忘れたかった高校の同級生だった。(花丸文庫より抜粋)
個人的感想  月村先生のキャラクターには、意地っ張りなキャラが多く出てきますが、太一の意地っ張り具合には共感を覚えます。なんか、ついうっかり意地を張ってしまって逆のことを言ってしまったりってこと、ないですか?。素直になることって、簡単なようで難しいです。
 双子ちゃんがメチャクチャ可愛いですv。太一を父親から守ろうと、格闘するシーンとか、児童施設から帰ってくるシーンとか大好きで、太一と双子ちゃんの親子の愛情に涙が出そうになります。
 この本を初めて読んだ当初、「プリンの味がするクリームパン」を本気で探しました。月村先生の小説に出てくる食べ物ってどれもこれもものすごく美味しそうですよねv、
 余談ですが、あとがきで「(自分の作品の中で)ナンバーワンはないけれど、どれもオンリーワンではあるかなと思うのです」と仰っていました。この本の初版が1999年、SMAPの名曲が発売されたのが2003年。ちょっと「すごい」と感動しちゃいました。